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【第3話】腸内環境とリーキーガット症候群

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腸内環境とリーキーガット症候群

ではこの腸内環境とリーキーガット症候群についてみていくことにしましょう。

まず私達が食事をした後、胃の中に入った食べ物は胃液と混ぜられて細かく砕かれます。そしてその食べ物は十二指腸から小腸の方に送られてきます。小腸では消化酵素というものでこの食べ物が分解されていきます。

例えばタンパク質の場合はペプチドからさらに細かく分解されてアミノ酸というものにまで分解されます。そしてこの腸の粘膜を通って私たちの身体に栄養素として吸収されるわけです。

この時、腸管の粘膜は規則正しく配列しており、右の方に示しましたように、レンガは規則正しく並んだような状態になっています。そして、たんぱく質やペプチド、まだ十分に分解されていない大きな粒はこの腸の壁にはね返されて消化酵素によってさらに分解されるまで、小腸の中にとどまるということです。


ところが慢性の持続的なストレスがかかりますと、腸の環境が大きく乱れ、腸の中の善玉菌が減り、悪玉菌が増えてきます。

そうしますと今お話したように、腸の粘膜の間に隙間ができてリーキーガット症候群という状態が起こってきます。先ほどお見せしたレンガが崩れて、一部は剥がれ落ちたり一部はずれたり隙間が開いたりした状態だと考えていただいて結構です。

よく、腸の状態が悪い方が内視鏡検査をしても異常がなかったというふうに言われる方がおられますが、もちろんこういう腸の間の隙間というのは内視鏡で見ても分からない非常に細かいものです。

分子レベルあるいは細胞レベルでこういったことが起こるということです。そうしますと、このまだ十分に分解されていない食べ物が、この隙間を通じて血液中にじわーっと染み込んでくるというわけです。これを遅発型フードアレルギーと言います。

普通よくアレルギーというのは、例えば食べ物を食べた後数時間ぐらいして体中にじんましんが出たということでよくご存知だと思いますが、これは即時型アレルギーと言われるものです。

これに対して遅発型アレルギーというのは約半日ぐらいから2~3日ぐらいたってから症状が出るアレルギーのことです。その原因となる食べ物を食べてから半日から数日時間が経っているわけですから、なかなかこの食事との関係性が分かりにくいという特徴があります。

フードアレルギーと関連のある主な症状

発疹、湿疹、にきび、肌荒れ、フケ症、アトピー性皮膚炎、口内炎、ドライアイ、多汗症、体重増加、喘息、鼻水・鼻づまり、副鼻腔炎、カンジダ症、結合組織炎、慢性感染症、関節リウマチ、関節炎、筋肉痛、クローン病、嚢胞性線維症、IBS(過敏性腸症候群)、 LGS(腸管壁浸漏症候群)、便秘、下痢、むくみ、おりもの、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症、多発性硬化症、偏頭痛、慢性疲労症候群、注意欠陥(多動性)障害、自閉症スペクトラム障害、うつ病、統合失調症、言語障害、学習障害、運動障害、強迫性障害、精神病、暴力的・攻撃的行動、睡眠障害、チック障害、トウレット症候群、高血圧、不整脈、がんなど

ではその遅発型フードアレルギーでどのような症状が起こってくるのでしょうか。

ここに主にみられる症状を示します。例えば、発疹、じんま疹、アトピー性皮膚炎含めて皮膚科的な疾患が起こってくることが多いです。

さらに喘息や鼻水・鼻づまり、副鼻腔炎などの耳鼻科的な疾患、あるいは慢性感染症、慢性関節リウマチ。身体のあちらこちらが痛くなったり関節が痛くなったりする病気、いわゆる膠原病に似た症状が起こってくることもあります。高血圧、不整脈、がん、糖尿病などのいわゆる生活習慣病と言われる慢性疾患も、実はこの遅発型フードアレルギーが関係しているということがわかってきています。

特に女性の方の場合、生理不順であったり、PMSつまり月経前症候群といった女性特有の症状にも関係していることが分かっています。これは腸内環境が乱れることにより女性ホルモンのバランスが乱れるため起こってきます。あるいはうつ病であったり睡眠障害、場合によっては学習障害、運動障害、強迫性障害などの色々な精神症状が、実はこの腸内環境、遅発型フードアレルギーとも関係しているということがわかってきています。


このスライドは遅発型フードアレルギー検査を示したものです。

現在日本でこの遅発型フードアレルギー検査は一般的には行うことはできません。外国にしかこの検査会社がありませんので、そういう検査を行っているクリニックに行ってこの検査をしてもらうか、あるいはネットから申し込んで検査を受けることしかできないです。

この検査で、見ていただきましたら分かるように、黒い横棒が長ければ長いほどアレルギー反応が強いということがわかります。この検査結果は20代の女性で、慢性疲労がずっと10年以上続くということで当院を受診してくださった方です。見ていただいて分かるように、ほとんどすべての食材に対して非常に強いアレルギー反応が起こっています。

例えばこういうアレルギー反応のある食べ物を控える食事制限という治療法がよく取られますが、アレルギー反応の強い場合、このような患者さんの場合は食べるものが全くないということになってしまいます。

今も説明しましたように、この遅発型フードアレルギーというのはその食べ物自体が悪いのではなく、腸内環境が乱れて腸管粘膜が障害を受けている、つまりリーキーガットが原因で起こっているわけです。ですから単に食べ物・食材を制限することでは根本的に治ることはできないわけです。



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